オペラ・ガルニエで、新作『Arena』と『Etude』に観客が大興奮。
パリとバレエとオペラ座と 2026.03.23
パリ・オペラ座の今シーズン2025/26のプログラムは、2022年12月に芸術監督に就任したジョゼ・マルティネスが初めて100パーセント手がけたものである。それまでは前芸術監督によって決定されていた作品を取り入れる必要があったからだ。このプログラムで彼はクラシック作品とコンテンポラリー作品の両方をバランスよく配し、さらに複数の作品で構成されるミックス・プログラムにこれまでのようにコレオグラファー名をタイトルにするのではなく、テーマをつけるという新しい試みを行った。『Racine』『Contrastes』、そして現在オペラ・ガルニエで3月28日まで開催されているのは''刻印''や''痕跡''を意味する『Empreintes』である。

プログラム『Empreintes』を構成する2つの創作は『Arena』(アリーナ/ 写真左)と『Etude 』(エチュード/ 写真右)。photography:Yonathan Kellerman/ OnP
このミックスプロで踊られるのは、モーガン・ルナークル=テンプル&ジェシカ・ライトという女性デュオによる『Arena(アリーナ』とマルコス・モローによる『Etude(学び)』の2創作。前者は映画家としての活動も行っている振付家で、後者は写真を学んだ振付家である。私たちの網膜に焼きつくイメージは時に一瞬のもの。映画、写真の訓練を受けた彼らが、観客の想像力を刺激する視覚的および音響的な刻印(empreinte)を用いてイマーシブな作品をパリ・オペラ座バレエ団のために制作した。
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モーガン・ルナークル=テンプル&ジェシカ・ライト振り付け『Arena』(40分)
これまでパリ・オペラ座のダンサーたちのためにさまざまな作品がクリエイトされてきた。しかし、これまでのコンテンポラリー作品以上にこの2作品ではダンスとビジュアルとサウンドが見事な三つ巴で展開する。最近パリ・オペラ座バレエ団のダンサーはクラシック組とコンテンポラリー組に分かれているように、観客も同様に分かれている感があり、特に『Play』以降、オペラ・ガルニエはクラシックバレエではなくコンテンポラリー作品を見にゆく場所と考えている観客たちが少なくない。この2作品はそんな彼らに受け入れられている。とりわけ『Etude』が残す痕跡は一瞬以上の強いもので、『Arena』以上にこちらにより熱狂的な拍手が送られているようだ。『Empreintes』の2作品と観客の反応に、これがいまのパリ・オペラ座、今後のオペラ座なのかとふと......。
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マルコス・モロー振り付け『Etude』(40分)





『Empreintes』(Arena, Etude)
開催中~3月28日
Opéra Garnier
Place de l'Opéra
75009 Paris
公演:20:00~21:50
料金:10~140ユーロ
editing:Mariko Omura




