ボルボの新型SUVで体験する、スウェーデンの氷上ドライブ。

Travel 2024.04.26

スウェーデン・北部の街、ルレオにて「The Big Winter Drive」というボルボの「EX30」試乗ツアーが開催。SUVタイプの新型EV「EX30」は、これまでのボルボのSUVよりもひとまわりコンパクトなつくりに北欧デザインを落とし込んだインテリア、そしてカーボンフットプリント削減を実現し環境への配慮もされた車だ。北欧に移住して早24年、さらに長年の飲食業界をやめ、なんと50歳を過ぎて鉄道の運転手になったというライター兼コーディネーターの神咲子がこのツアーに参加、一般道及び氷上を試乗。その乗り心地とは? 試乗会を徹底リポート!

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氷上ドライブでの試乗車でもあり、今回のThe Big Winter Driveツアーで初日から最終日まで乗り回したボルボ EX30 。

「一生に一度できるかどうかの体験!」と言っても過言ではなかったボルボのThe Big Winter Driveツアーに参加。ピュアEV(電気自動車)の運転自体も初めてだが、その試乗を凍った湖の上でなんて!! おもしろそうという気持ちと大丈夫かなという不安も入り混じった当日だが、ボルボ側の至れり尽くせりのおもてなしと丁寧な解説で、ハンドルを握った瞬間から走り心地、見る景色すべてが楽しくてしょうがない。思ったよりもかなりスムーズに運転できるものだなと感じ、コラムシフト車やマニュアル車を運転してきた私は時代の移り変わりと「あー、未来の車とはこういうふうに進化していくんだな」と思った試乗会だった。

従来同様もしくはそれを上回り、ボルボの人気の所以でもある安全性とデザインの良さが際立っている。それに加え日本の狭い駐車事情にもフィットするコンパクトな大きさ。EX30はボルボとして初めて「EV」専用として開発段階から考えられたモデル。2030年までに新しく発売するボルボ車をすべてEV化し、また2040年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにするという目標への努力・貢献も好ましい。多くのスウェーデン人は、自分の健康、そして自然環境にも気を配っており、自然と共生、というスウェーデン人のあり方や考え方は日常生活に顕著に影響している。こういったボルボの目標は、車選びをする際にとくに大切にすべき事とも思われる。

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ボディカラーは写真のクラウドブルーとヴェイパーグレーを含め、オニキスブラック、モスイエロー、クリスタルホワイトなど全5色。

スウェーデンの氷上ドライブ体験!

「うわ〜、この色は日本にはない色だし、まさにスウェーデンっぽい!」がボルボEX30を見た最初の印象だ。淡い水色とグレーを掛け合わせたようなクラウドブルー(ボディカラー)、ブリーズ(インテリア)はスウェーデンの爽やかでクールな夏日がインスピレーションの源だ。

昭和生まれのアナログ人間でペーパードライバーの私は、初っ端から鍵を差し込むべき「鍵」の部分がなく、ドア開閉時のボタンスイッチもキーには見当たらず、マッチ箱大のデジタルキーを片手にうろうろ(笑)。ステアリングホイールの奥にメーターなどの表示がないことにドギマギ。グローブボックスを開けて取説や保険証書が入っているかどうかなどついつい確認したいが、開ける取手すら見当たらない......。

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車のキーは、一切の装飾を取り除いた極上のシンプルなフォルムだ。開閉の種明かしはカギを携帯して運転席側に近づくと自動でアンロックになり、車から離れると鍵がかかりロックされた状態になる。と説明を受けようやく乗車できたのだった(笑)。

電気自動車ゆえかつての「エンジンルーム」に収めるべき部品が少なく、ダッシュボード周りにも余裕があり、センターコンソールの部分もいろいろな小物の置き場として利用できるのはうれしい。
これらを含め、北欧デザインの特徴でもあるシンプルかつミニマルな潔さ、そして色使いが魅力だ。またグーグルによる音声認識が正確なので、ボイスコマンドを使いこなせば「声で」、温度調整、シートヒーター、目的地設定などさまざまな機能をコントロールできる。まさに次世代自動車といっていいだろう。

ドキドキしながら運転開始。「え〜、静か!」というのが素直な感想。EVなのでエンジンがなく、モーターで動くため、あの「ブルンブルン......ダダダダダ......」というようなエンジン音がない。これに加え高音質スピーカーを携えた最新のオーディオシステムであるフロントガラスのすぐ下に配されたサウンドバーから奏でられるサウンドは素晴らしい音質で、身体も心も包みこまれるような楽しさ。またステアリングの重さは3段階に調節可能で、一番軽い(Soft)に切り替えると、まるで車を運転しているというよりは車がスイスイと自動で動いてくれるといった感じだ。

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Bjrönträsk (ビョーントレスク)というアイストラック。冬場には全面が氷と化すが実は湖。1mに満たない氷の層だが「本当に大丈夫?」という不安をすぐに払い除けるほど湖上とは思えない頑丈さだ。 

遂にやってきました! 今回のメインイベントでもある氷上でのドライブでは交代でシングルモーター(リアモーターの後輪駆動)、日本に本年中の導入と言われているツインモーター(AWD、4輪駆動)をテスト。定位置に置かれたポールの障害物を避けてスラローム走行したが滑ることもなく、コンパクトな車体を最大限に生かし、小回りがとても利く。まるでフィギュアスケートの選手になったかのようで氷の上でダンスをしているような気分。

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春が近づき日が長くなりつつある美しい夕日にボルボが映える。2日目はオーロラにも遭遇し、ノルディックトワイライトやオーロラなど、車内に搭載のアンビエントテーマのイルミネーションを連日にわたり実感できた。

またシングルモーターでも滑りやすい路面でのコントロールの良さも十分で、AWDと同様の走行安定性を感じた。事前ブリーフィングではポールの障害物をエルク(ヘラジカ)に想定し、ぶつかる時は避けようとして横にハンドルを切るのではなく、あくまでも前方のエルクにフォーカスする気持ちで運転するといい、と助言を受けた。スウェーデンではよく見かけるエルク、またエルクと衝突してしまう事故も多いがゆえのアドバイスだ。これはいざという時の回避能力をテストする設定でクルマの能力を計る基準にもなっているとのことだ。

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ツアーの場所はラップランド圏になり比較的オーロラが出現する頻度が高いが、それにしても運が良すぎる。その日のアクティビティを終えて、これからディナーへと向かう時に光のカーテンが現れた。その現象の美しさにはただただ息を呑み佇むだけだ。

とてもラッキーなことに、今回のツアーでは初日から天候に恵まれた。なかなかこの時期のスウェーデンでは珍しい。しかもトナカイが出現し、オーロラまでお目見えできたというこの上ない運の良さ。車にいながらも外の素晴らしい景色と一体になれるのは、後部座席までの開放的なパノラマ・ガラス・ルーフの賜物だ。またガラス・ルーフには熱線対策が施されているので、天候がいい日でも直射日光を受けて「アチッ、アチッ」と身体を陰に移動する必要がなく十二分に景観を楽しめる。

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十二分すぎるぐらいの大きくシースルーなガラス・ルーフ。オープンカー顔負けの感覚で頭上の景色が丸見え、ついつい手を空の方へ伸ばしたくなる。photography: Takuro Seki


氷上でも一般道でも運転しているというよりは、スイスイと流れるような乗り心地、そしてミニマルなインテリアとプレミアムなサウンドでまるでお気に入りの部屋にいるかのようなリラックスした感覚で運転できるのが魅力だ。さらに、スウェーデン人の理想の家庭とは、家と車と犬とサマーハウスを持つことと言われることが多い。自然を感じるキャンプも人気。普通の車にトレーラーやワゴンをつけてキャンプに行く人も多いため、ボルボEX30のように小さくても牽引力がある車というのも注目すべき点。

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ダッシュボードの中央にセンターディスプレイが設置されている。運転操作に必要な機能などが12.3インチのディスプレイに集約。

ちなみに電気自動車といえば、移動中にバッテリーが無くなったらどうしようと心配になるが、EX30のスクリーンのGoogleマップ上にある充電器アイコンをクリックすると、付近の充電スタンドが検索できる。また充電残量が20%になると自動的に検索し表示してくれる。その他Volvo EX30 app (App Store/Google Play)というアプリでも付近の充電ステーションが現在地から近い順にリストアップされ、慌てずに目的地に向かうことができる。
私は、通勤は自転車、仕事はこの上ないサステナの電車の運転手ということで、堂々と日々のスウェーデンを闊歩しているが、"自然との共生"ということを随所に感じられるボルボの車はまさに北欧の暮らしから生まれた未来のための車なのだ、と改めて感じたツアーだった。

ボルボ・カスタマーセンター
0120-55-8500(受付時間 9:00 - 18:00)
https://www.volvocars.com/jp/

text: Sakiko Jin

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