4人に1人の母親が産後に不安を抱える。フランスの新調査が示す深刻な現実。
Lifestyle 2025.06.14
疲労、精神的負担、精神的サポートの不足......。5月21日に発表された調査結果は、産後の女性たちのメンタルヘルスに対するより良いケアの必要性を訴える。
フランスでは、4人に1人以上の母親が産後2ヶ月で不安に苦しんでいる photography: damircudic / Getty Images
新たな調査結果は、母親たちが出産後、数週間、数ヶ月、ときには数年にわたって感じる孤独について警告を発している。Momcozy(妊娠期から産後までの女性を支える製品を提供しているブランド)のためにマーケティング会社カンターが実施した調査によると、フランスでは67%の女性が出産後、孤独を感じていることがわかった。調査は2020年以降に出産した18歳以上の母親1000人を対象に、2025年4月、オンラインで行われ、結果は5月21日に発表された。
疲労と精神的負担
対象となった女性の42%にとって、その孤独感は深いもの(10段階中7〜10)だ。また、一部の女性にとって、こうした感情は産後数週間にとどまらないこともわかった。たとえば、32%の回答者が出産してから数年経った後も孤独感を感じていると答えた。
その原因はどこにあるのだろうか? もっとも多く挙げられた要因は「疲労(76%)」で、次が「精神的負担(62%)」、「精神的な支えの欠如(39%)」、「社会的孤立(33%)」だった。さらに、44%の母親が、出産後社会的な交際の輪が狭まったと答えている。感じているのは孤独感だけではない。10人中6人が産後、不安やストレスを経験している。また、63%が睡眠不足による疲労を挙げた。
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育児休暇の延長
調査では、出産にあたって、どういったサポートが必要かという質問も設けられた。これに対し、61%が出産休暇の延長を第一に挙げた。続いて、専門の心理的サポート(51%)、経済的支援(49%)、より利用しやすい保育サービス(45%)という回答が並んだ。
数年前から、女性の周産期のメンタルヘルスに関して、行政やメディアも取り上げはじめた。2022年7月以降は、産後4週目から8週目の間に医師または助産師による面談が義務付けられている。産後うつ病の最初の兆候などの危険を見逃さないためだ。
フランスでは、産後2ヶ月で6人に1人(16.7%)の女性が産後うつにかかり、4人に1人以上が不安に苦しんでいることが、2023年9月に公表された調査で明らかになっている。また、自殺は産婦の死亡のおもな原因でもある。
2024年10月、「ル・モンド」紙に掲載された、医師、助産師、支援団体代表らによる意見書では、母親のメンタルヘルスを国家的な優先事項にするよう呼びかけられた。
From madameFIGARO.fr
この記事は、madameFIGARO.frで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
text: Ophélie Ostermann (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa