こんにちは、石井ゆかりです。
今週はまず28日、牡牛座で新月が起こります。
火星、冥王星とゆるめにTスクエアを組む新月で、インパクトの強い、爆発力を感じるスタートラインです。決定的な流れがここで、ぽこんと決まる感じもあります。もやもやしていたこと、うやむやになっていたことが、いきなり「形」をなす、現実化する、みたいな展開があるかもしれません。
さらに5月1日、金星が牡羊座に入ります。
金星は2月から3月に一度、牡羊座を運行していました。逆行でいったん魚座に戻っていたのが、ここで牡羊座に再度入宮します。ここから6月6日にかけて、2月から3月に「未完」だったことをやり遂げられます。
すでに海王星が牡羊座にいて、金星が入るとすぐコンジャンクションを形成します。金星と海王星の組み合わせは、とてもロマンティックで、芸術的でもあります。素晴らしい音楽や絵画、映画などのイメージです。このコンジャンクションは水瓶座の冥王星、獅子座の火星と調停の位置関係となり、美しい夢や理想が大きな声で語られ、広まる、という動きを感じさせます。普段は照れくさくて言えないようなことが、ここではむしろ「メインテーマ」となります。あるいは、何か強烈な魅力を放つ「シーン」が、多くの人の目を集める場面もあるかもしれません。
たとえば、戦争は残酷で悲惨ですが、これを美化し、感動的に語る人はいつの時代にもいます。勇ましい戦闘に憧れる人、人を傷つけるための武器や戦闘のための機械、乗り物を「かっこいい」と感じ、愛好する人は少なくありません。美しい言葉やおもしろい言葉に激情をかき立てられて、決して社会的に望ましくない活動に手を染める人もたくさんいます。犯罪組織に巻き込まれた人たちが、その理由を聞かれて「ほめ言葉や優しい扱いに心を引きつけられ、やっと居場所を得たと感じた」と語ることもあります。「プロパガンダ」は今もあらゆる場所にはびこっていて、人の心を搦め捕ります。
闘いの星座に入った金星と海王星のコンジャンクション、これに調停を組む冥王星と火星の配置は、どこか、そんな危険な美、危険なファンタジーを想起させます。どんなひどいことでも、醜い部分を隠し、美しく表現しようと思えば、そうできます。写真や映像技術が生まれるよりはるか以前から、人間は頭の中で都合良く「動画の編集」「画像の修正」を行い続けている生き物なのかもしれません。
自分が何に感動し、何を善とし、どう行動しているか。その行動は本当に正しく、美しいのか。そのあたりが今週の、ひとつのテーマなのかもしれません。
今週はそんな感じです。