2018年 おとめ座の運勢(下半期) - 石井ゆかりの星占い
情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。
2018年の下半期の星占い

経験を通してレパートリーが拡がる。「実験者」の才能が開花する時。
たとえば、料理の本を買って、たくさんのレシピを頭に入れても、それだけでは意味がありません。
レシピを見ながらでも、実際に作ってみて、おいしければさらに何度か作ってみて、
場合によっては自分なりのアレンジを加えて、そこで初めて、レシピが「自分のもの」になります。
レシピどおりに作っても、思ったようにいかないこともあれば、そもそもおいしいと思えないこともあります。
やってみたら思ったよりずっとうまくいったので、それ以降「得意料理」に加わることもあります。
料理に限らず、たとえば歌える曲や得意なスポーツなども、
「レパートリーを増やしていく」ためにはとにかく、最低でも一度は「やってみる」必要があります。
この下半期、貴方はたくさんの経験を得て、その経験を自分の「レパートリー」に繋げていけます。
さまざまなもののレパートリーが増えていき、世界が豊かに拡がるでしょう。
まったく新しい世界に飛び込んでいく! という人もいるかもしれませんが、それ以上に
普段やっていることに新しいものを増やしたり、知っているだけのことを「実践」してみたりと、
すでに貴方が住んでいる世界を、経験を通してどんどん「延長し、拡大する」ことのできる時期なのです。
「人生を変えるような経験」を語る人はたくさんいます。
ドラマティックな経験を通して人生が変わった、という話は人の心を強く惹き付けますし、記憶に残ります。
でも、そんなに大それたものでなくとも、もっとささやかな「経験」が人生を変えることもあります。
たとえば、誰かの一言や一本の映画が、その後の人生を大きく変えてしまう、というのはよく聞く話です。
「貴方の人生を変えた一冊を教えてください」といった「お題」をもらったりもします。
この下半期、もしかすると貴方は何らかの形で、「人生を変える経験」を得るかもしれないのですが、
それは、日常の中に何げなく起こる、ごくささやかな出来事なのかもしれません。
「経験」はどこにでも生まれます。どこからでもその機会がやってきます。
私たちの生きる日々に起こる、たくさんのありふれた出来事が、
一転して人生を変えるような「ごく重要な経験」に変わるのは、どんな時なのでしょうか。
おそらくそれは、私たちがその出来事に何らかの形で「踏み込んだ」時ではないかと思います。
あるいは、ある出来事が起こり、それに対して「動いた」時、「こたえた」時、「心を動かした」時に、
その出来事が私たちの内部に浸透して、私たち自身の「経験」になります。
たとえそのキッカケが、他人からの誘いや賞賛のような、完全に受動的なものだったとしても
そのことに自分の心が何らかの形で「リアクション」していなければ、
レシピをちょっと見ただけで一度も作らなかった料理のように、
その出来事は私たちの人生の表面を、つるんとすべって消えていってしまうでしょう。
「自分でやってみること」「自分なりのアレンジを加えること」「何度もやってできるようになること」は、
実は、乙女座の習性のようなものです。貴方は生まれながらの「実験者」と言っていいような存在です。
この下半期は、そんな貴方の才能を、情熱的に開花させることのできる時期です。
そして、そこでの「実験」は、貴方の人生を何らかの形で、変えていく力を持つはずなのです。
この時期、居場所や職場、ライフスタイルなどを変える人も少なくないだろうと思います。
それもまた、ある意味での「実験」であり、人生を変えていくような「経験」なのかもしれません。
これまで主張してこなかった権利や、求めてこなかった条件を、ここでは強く打ち出すことが可能です。
「今までやってみもしなかったこと」を少しやってみただけで、状況が一変する可能性のある時期なのです。
8.23-9.4 生まれの貴方
「専門分野」において感じる好奇心が、ここからの長旅の「扉」となる。
何も知らない幼い子どもは、さまざまなものに好奇心を抱きますが、結構すぐに飽きてしまったりもします。一方、大人になって自分なりに専門分野を持ち、その分野においてもし、好奇心を刺激されたなら、それはかなり大きな出来事と言わなければなりません。いわゆる「クロウト」は、少なくとも自分のフィールドにおいては、何にでも好奇心を抱いたりしないからです。この下半期、貴方はそうした骨っぽい好奇心を刺激されることになるかもしれません。未経験だから感じる刺激ではなく、すでに十分に経験があるからこそワクワクしてくる、といった場面があるだろうと思うのです。この時期に貴方が抱くそうした好奇心は、この先数年をかけて続いていく長旅への扉です。
7月から8月上旬、9月中旬から10月上旬は、非常に忙しい時期となります。やるべきことがてんこ盛りで、貴方の任務が倍くらいに増えるでしょう。また、今の職場や役割分担に違和感があるならば、この夏から秋に転職や役割の変更に向けて動けるようです。8月は特に、経済面で好条件を掴めそうです。9月から11月前半にかけては、コミュニケーションが大きく拡がります。たくさんの人と語り合い、友好関係を築けるでしょう。11月からは「居場所」が動きます。ここから年末までの間に、引っ越しや家族構成の変化などが起こる気配もあります。10月後半から12月頭は、タフな交渉に臨む人が少なくないでしょう。愛に追い風が吹くのは7月中旬です。また、この時期全体を通して、愛が「強度を増す」ようです。
9.5-9.14 生まれの貴方
言葉にならない思いを、 あえて「コミュニケーションにのせる」方法。
何かに惹き付けられる気持ちや、「これと自分との間には、強い結び付きがあるぞ」と感じる気持ちなど、「関わり」の感覚には言語化しがたい部分が多いものです。なぜそれが好きなのか、なぜその人にのめり込むのか、その理由は当の本人にすら、なかなか説明できません。長いこと一緒にいるパートナーであっても、相手への気持ちは言葉にならない場合が多いようです。そんな「言葉にならない思い」であっても、時々はコミュニケーションに「のせる」必要があります。この時期は、普段言葉にできない深い愛着や心引かれる思い、相手が大切だという気持ちなどを、何らかの形でコミュニケートしていくことになるようです。日本では特に「ありがとう」という感謝の言葉が用いられることが多いようですが、感謝の言葉を気持ちの負担の清算のように受け取る人もいます。感謝は大切ですが、もう一歩踏み込んで「相手の思いを受け取る」ことを、この時期の貴方は試みるのではないかと思います。
7月から9月にかけて、非常に大きなコミュニケーションの渦が生じます。たくさん語り、たくさん聞き、たくさん学んで、あらゆるところに出掛けていけるでしょう。旅先から送り続けた手紙が、一冊の書物となるようなこともあるかもしれません。10月は非常に忙しい時期です。タスクをガンガンさばく中で、新しいポジションを発見する人もいるでしょう。12月はとてもドラマティックな月です。生活ががらっと変わる人もいそうです。愛に追い風が吹くのは7月後半、12月下旬以降です。
9.15-9.22 生まれの貴方
自分を縛る「重荷」を切り離す、最終的な吟味のプロセス。
たとえば、旅行のためにスーツケースに荷物を詰め込んだ時、どうしても全部入り切らない、ということがあります。もちろん、無駄なものを入れたわけはないのですが、入らないならば、持っていくのを諦めるべきはどれなのか、もう一度考えてみなければなりません。2018年下半期、貴方はこれまでに吟味して限定したアイテムを、スーツケースにどしどし詰め込むことになるでしょう。そして、蓋を閉める段になってもう一度、置いていけるものを考えることになるはずです。最終的にスーツケースをぴたりと閉め終わるのは、2019年3月頃になるかもしれません。身軽で自由な旅のために、本当に不要なものは何なのか、それを見極めることが、この時期の大切なテーマです。物質的にもそうですし、たとえば背負い込んだ役割や完璧主義からくる日々のルーティンワークなども、「吟味」の対象です。貴方を見えない重みで縛っているものを、最終的にここで、切り離すことができるはずなのです。
7月半ば、心の奥深くからときめくような出来事が起こるかもしれません。素晴らしい仲間に出会える気配もあります。8月から9月上旬は、やりたいことに目いっぱい打ち込める時期です。4月後半から5月に手を付けた活動に、再度のめり込める機会が巡ってきそうです。クリエイティブな活動にも勢いが出てきます。9月半ばから11月上旬は、行動範囲が広がり、コミュニケーションも膨
らむ、とてもアクティブな時期です。愛に追い風が吹くのは7月末から9月半ばです。
12星座別占い
Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii
石井ゆかりプロフィール
ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari