2018年 いて座の運勢(下半期) - 石井ゆかりの星占い
情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。
2018年の下半期の星占い

卵の殻の中でしか育てることのできない、大切な「夢の芽」。
「隠れ家風レストラン」「隠れ家風の居酒屋」というような表現は、昨今では結構一般的です。
おそらく、当初は「目立たないところにあるのに繁盛するだけの力がある名店」とか
「著名人が人目を避けて訪れる、隠れた名店」などの意味合いだったのではないかと思いますが、
現在ではどちらかといえば「少人数で静かに飲食できる場所」とか、
「誰でも連れていけるわけではない、とっておきの場所」のイメージでも用いられるように思われます。
大勢でワイワイ話したい話題もあれば、信用できる人とふたりだけでじっくり話したい話もありますが、
「隠れ家風」のお店は、おそらく後者にふさわしいだろうと思います。
人目をはばかる内緒話やデリケートな人間関係などは、安全が確保された「閉じた場」で守りたいものです。
これは、人の目をさえぎるということ以上に、もっと大切な意味を持っています。
というのも「閉じた場」は、ひとつの意味ある世界としての力を持つからです。
たとえば、思いの丈を込めた恋文が、大勢の前で読み上げられたら、それはどこか滑稽な印象を帯びます。
教室で先生が語った真面目な話を、放課後に生徒たちがマネして語ったなら、それはたぶん揶やゆ揄です。
その恋文に心動かされた恋人も、先生の話に心を打たれた生徒も、苦笑いをせざるを得ません。
この「滑稽さ・笑い」は、「あるべき場」を離れたことによって起こります。
「笑い」は人生の大事な潤滑油ですが、一方で、人の心を深く傷つける、危険な凶器にもなり得ます。
たとえば集団による犯罪やイジメ、ハラスメントなどの場には必ず、笑いがあります。
誰かが抱いた淡い夢を誰かに話して、それを一笑に付されたなら、夢は死んでしまうかもしれません。
でも、この夢が心の中で大切にされ、信頼できる人とだけ分かち合われ、育てられて、
目標や計画、実行から実現にまで至ったなら、もはや誰の笑いにも傷つけられたりしません。
「閉じられた場」は、その中に揺ようらん籃される夢や物語、対話や関係性を、強くなるまで育ててくれます。
その中にはひとつの意味を共有する世界が存在していて、私たちはそうした場でしか、
物事を生み出したり、育てたり、清算したりできないのです。
2018年下半期、射手座の人々は何らかの「閉じた場」で、生まれたばかりの夢や希望を
丈夫な苗へと育てていくことになります。
このプロセスは2017年の終わり頃からすでに始まっていますが、この下半期は特に
「閉じた場」の中で、熱いコミュニケーションが展開し、生き生きした動きが生まれるのが特徴です。
この「閉じた場での動き」は、秘密を守る世界とか、引きこもりの世界というようなことではなく、
たとえば「たくさんの研究室を訪ねて歩く」とか、「家庭訪問をする」といったことにも通じます。
ラボがあり、教室があり、書斎があり、子ども部屋があるのは、そうした閉じた場が、
それぞれに特別な学びやコミュニケーションを「生成する」からです。
この下半期は過去との邂かいこう逅が増える傾向があるのですが、
自分自身の人生、つまり「ヒストリー」も、ある意味でひとつの「閉じた場」と言えるでしょう。
この「閉じた場」が外に向かって開かれるのは、2018年11月以降です。
小鳥の雛が卵の殻を内側からつつき破って外に出るように、
11月以降、貴方は「閉じた場」の殻を破って、勢いよく外界に飛び出すことになるはずです。
このヒヨコに必要な最初のエサは、2018年上半期にすでに、手に入ったかもしれません。
まだ足りない分は8月から9月にかけて、ちゃんと集められるはずです。
11.22-12.3 生まれの貴方
自分自身を許した時、意外なところに見つかる「本当の原因」。
かつて本人の行いが悪いからだとか、気温が高いためだとか考えられていた病気が「蚊の媒介による伝染病」だとわかって以降、それまで想定されていた「原因」はきれいに忘れ去られました。私たちは物事の原因と結果を非常によく誤解します。犯人捜しをし、自分を責めても、どうやってもうまくいかないことがあったとして、その単純な原因が思いもよらないところに見いだされる、といったことは決して珍しくありません。もし貴方が、長期にわたって「これは自分が悪いのだ、心を入れ替えて行動を変えたい、でもなかなか変えられない」と苦しんでいるなら、この時期「自分が悪いわけではない」というところから解決の糸口が見つかるかもしれません。必要なのは信心でもお祓いでもなく「水の煮沸だった」とわかった時、多くの人の心が解き放たれただろうと思うのですが、それに似た喜びがこの時期、貴方の心を満たすはずです。
7月から8月前半、9月中旬から10月上旬は、外に出てガンガン動ける時期です。フットワークの良さから得るものが多いでしょう。勉強や研究活動にも力がこもります。8月は新しい仲間に恵まれるかもしれません。10月末から徐々に新しいことが起こり始め、11月8日、大きな人生のターニングポイントとなる1年が始まります。ここからは「何でもアリ」の日々です。また、10月半ばから12月頭にかけて、引っ越しや家族構成の変化など「居場所」が動くかもしれません。9月下旬と11月半ばには、愛の転機もやってきそうです。
12.4-12.13 生まれの貴方
「必殺技」を、密かに手に入れる。自分で自分を信じるための、ささやかな「手掛かり」。
「ここぞという時に使う、必殺技」「いざという時のための、一張羅」「とっておきの秘蔵品」等々、いつもの何倍もの力を発揮したい時を想定して、何かを「隠し持つ」人は少なくありません。「能ある鷹は爪を隠す」とも言われますが、いつも見せびらかしていては効果が半減してしまうものを、私たちは大切にしまっておきます。そうした「しまっておく」宝物や秘密の武器を、この時期は積極的に「手に入れる・仕込む」ことができるようです。秘蔵品を手に入れ、一張羅をあつらえるのは、あくまで密かに行われる作業です。誰にも知られないよう単独で行動し、忘れてしまわないよう、記憶に刻み付けます。必殺技なら身に付けなければなりませんし、内緒で味方を作るなら、密かに話を付けにいく必要もあります。この時期はそうした「自分なりの秘策」を創造できるタイミングとなりそうなのです。隠された鷹の爪や誰も知らない必殺技は、いざという時役に立つだけでなく、常にどっしりと落ち着いているための心の支え、自信にも繋がります。
7月から8月末にかけて、遠くへ旅する人が少なくないでしょう。特に8月半ばに訪れる場所には「運命」のようなものを感じるかもしれません。9月は新しいミッションがスタートするタイミングです。10月中旬から下旬は、行動範囲が広がり、どんどん外に出る時期となっています。発言力が増すでしょう。12月に入ると俄然、新しいことがどんどん始まります。愛に追い風が吹くのは8月中旬から下旬です。愛の視野を広げたい時です。
12.14-12.21 生まれの貴方
欲しいものには「両手」を出す。ストレートな思いが、愛のミラクルを呼ぶ。
「欲しいものははっきり、欲しいと言う」ことの重要性を再確認できる時です。射手座の人々はもともと、自分の要望をねじ曲げたりしない傾向があるのですが、この時期は特に「欲しいもの」「好きなもの」に関する率直さが求められるようなのです。空気を読んだせいでせっかくの大物を釣り逃したり、横着をして両手を出さず、あえて片手で済ませようとしたりした結果、深く後悔することにもなりかねません。本当に欲しいものには両手を出して、全力で向かっていけば、この時期は必ず手に入ります。特に、春から初夏にかけて「惜しいところで取り逃がした」ものがあるなら、この晩夏から初秋、再度チャレンジできるはずです。物質的なことだけでなく、たとえば愛のような精神的な世界でも、「欲しいものへの率直さ」はとても重要です。一見非合理であったり、非常識であったりしても、思いが限りなくまっすぐだった時、不思議な道筋を通り抜けて、人の心に届くことがあります。この時期はそんな「愛のマジック」が、少なからず実現する気配もあるようです。
7月は意外な人から、素晴らしい贈り物を受け取ることになるかもしれません。7月末から8月頭、キラリと光るチャンスを掴めそうです。8月半ばから9月半ばは、経済面で精力的に動けます。おおいに稼ぎ、あるいは欲しいものを手に入れられる時です。10月末から11月半ばはガンガン発信し、どんどん外に出て得るものが多いでしょう。この時期に集中的に勉強する人もいるはずです。
愛に追い風が吹くのは8月末から9月上旬です。
12星座別占い
Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii
石井ゆかりプロフィール
ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari