2018年 てんびん座の運勢(年運) - 石井ゆかりの星占い
情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。
2018年の星占い

「絵に描いた餅」ではない、
今確かに食べることのできる餅。
2018年上半期、天秤座を巡る星回りを見ていると、
どーんと広い「大地」のイメージが湧いてきます。
地上に降り立つこと、その草や木々や虫や動物たちの息吹を吸い込むこと、
そして、そこに自分の生活をひとつずつ創り上げていくこと、といったような絵が浮かぶのです。
「絵に描いた餅」とは、どんなに鮮明に見えていても現実的ではないことを言うことわざですが、
この時期の天秤座の人々は間違いなく「食べられる餅」を作っていくことになります。
手で触れる、自分のものにできる「餅」は、
黙っていて棚から落ちてくるものではありません。
しかし同時に、自分の努力だけで生み出せるものでもありません。
自分の力だけでは実現できないこと、でも、自分の力がなければ実現できないこと。
これを、この上半期の天秤座の人々は、いかにも粘り強く追求していくことでしょう。
貴方がこの時期手に入れたいのは、「いつか叶う夢」ではなくて、
今まさに目の前で叶っていく夢なのだと思うのです。
それは決して、難しいことではありませんが、でも、簡単なことでもないはずです。
大地にしっかり足を踏ん張ってそれを引き受けていく勇気が湧いてくるのは、
おそらく、2017年の奮闘と、2011年からの経験の賜物なのだろうと思います。
2011年頃から、貴方は人間関係におけるさまざまな「分離」を経験してきているはずです。
慣れ親しんだ人間関係の渦から距離を置いたり、自分を守ってくれる組織から離れたり、
ごくプライベートな関係の中で疎外感を感じたこともあったかもしれません。
そうした「人間関係における分離」の時間が、この上半期、終わりを迎えます。
厳密にはここで完全に終了するのではなく、一度忘れ物を取りに戻るなどして、
2019年の頭に完全に終了します。それでもとにかく2018年5月に「終わり」が始まるのです。
人との関わりをもっとも大事にして生きる天秤座の人々にとって、
過去6、7年にわたる「分離」の経験は、とても辛いものだったかもしれません。
あるいは、得意分野に取り組めず、もどかしさを感じる場面も多かったかもしれません。
2018年上半期は、そうした不安な時間からの脱出を感じることができるはずです。
人と解け合い、繋がり合って、人間でできた環境に身を置いて生きること。
このことの喜びを、もう一度信じられるようになっていくだろうと思うのです。
そのとっかかりとなるのは、もしかすると「身内」との関係の変化かもしれません。
身近な人ほど、その関係は「当たり前」のものとなってしまい、
なかなか腰を落ち着けて話す機会も持てなくなるようなこともあります。
でも、この上半期以降、天秤座の人々は家の中にある「椅子」を、
かつてなくよく利用することになるでしょう。
身近な人々と一緒に腰を下ろして、お茶を飲み、あるいはグラスを酌み交わして、
じっくり時間をかけて話し合う時間を設けられそうです。
さらに、愛する人や新しく出会う人々、懐かしい人々とも、会う機会を増やせるでしょう。
特に3月下旬から4月半ばは、以前「分離」してしまった相手がふと戻ってくるような、
そんな不思議な場面が重なっていくかもしれません。
経済的には素晴らしい追い風が吹きます。入ってきた財は、貴方の世界に深く根を下ろし、
これから大樹として育って、未来に繰り返し、多くの実を結ぶでしょう。
貴方自身、経済面での成長を目指して大胆に動ける時期となっていますが
それは貴方ひとりの満足や幸福のためでなく、貴方が大切に思う人々と、
その人々が生きていくための「場」を広げるためのものであるだろうと思います。
「商品」の価値は相対的ですが、手に入れたものの価値は、絶対的です。
「かけがえのないもの」のために、貴方はこの時期、目の前にある夢を、
絵に描いた餅ではなく、食べることのできる餅として、現実に変えていけるはずです。
12星座別占い
Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii
石井ゆかりプロフィール
ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari