2018年 かに座の運勢(年運) - 石井ゆかりの星占い
情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。
2018年の星占い

愛と創造が生まれる土壌である、
ひとりの人間としての孤独。
たとえば、今まさにおいしいものをたくさん食べて、満腹で満足している人に対して、
「今からごはんを作ってあげよう」という気持ちにはなりません。また、その必要もありません。
それにも似て、心が満たされて満足している人には、「愛」は必要なさそうです。
愛が必要なのは、その人の心が「空腹」な時です。
それはおそらく、「孤独」と言い換えることができるのではないかと思います。
真の創造性もまた、孤独と切り離すことはできません。
創造とは「正解のないところに、自分だけの回答を探す」行為です。
「自分だけの回答」は、どんなに人の意見を参考にしたとしても、
最終的には、自分自身だけとの孤独な対話の中で発見するしかありません。
人に恋心を抱くのも「誰かと一緒」には、できません。
恋する心はいつも、モノローグのみです。恋は、孤独です。
愛も創造も、私たちは孤独を受け入れる時にしか、実現できないのです。
2018年、蟹座の人々は愛と創造の世界で、特別な「孤独」を発見するかもしれません。
たとえば、ごく孤独な人に出会い、そこから愛が生まれるのかもしれません。
「孤独」という言葉は冷たいイメージをまとっていますが、
孤独の中には実際には、限りなく熱いパッションが秘められています。
たとえば、大切なペットを失って孤独の中に引きこもっている人は、
もともと熱烈な愛情があったからこそ、孤独を選択することになってしまったわけです。
孤独の中には、熱烈な「情」が眠っているのです。
また、孤独は魅力の源泉でもあります。たとえば、ドラマや物語に描かれるキャラクターで、
初めからワイワイ仲間に囲まれているような人は、あまり、主人公となることはありません。
主人公はたいてい、孤独を抱えています。人に言えない秘密や強い思いを抱いています。
独りぼっちで何かを抱えている人は、それだけで、強い存在感を持ち、魅力を放つのです。
上記は、2018年上半期の蟹座の人々が、他人と切り離されて孤独になる、
ということではありません。
そうではなく、愛や人間関係、創造的な活動のベースとなっている「孤独」を、
いわば「発見する」ということなのだろうと思います。
私たちはどんなにたくさんの人といても、孤独を感じることがあります。
そして、その孤独のモノローグの中に、自分だけのアイデアを発見することになります。
本当に真剣な出会いの場では、周りにどんなに人がいても、
まるで音がなくなったように、相手と自分だけの世界が広がります。
2018年上半期、貴方が過ごす愛と創造の世界では、どこかで
「人と一緒に行動する」「人の後に付いていく・誰かに決めてもらう」ような姿勢を、
すべて放棄しなければならない場面があるだろうと思うのです。
それは、辛いことでも苦しいことでもなく、ワクワクする冒険のような体験でしょう。
たとえば、それまで家族旅行しか経験したことのない人が、
初めてひとり旅や恋人とふたりだけの旅を計画するような、そんな体験です。
「自分」に軸足を置いて、人生の重心を引き受けた時、新しい物語が始まります。
そして同時に、貴方の目の前にいる人や、これから出会う人々の中にある、
透明で繊細な「孤独」にも、気付くことができるはずなのです。
2011年頃から、仕事や対外的な活動の場で、他者との分離や集団からの離脱を、
経験し続けてきた人も多いはずです。
2018年上半期は、そんな「離脱」の動きが収束し始める時期に当たっています。
これ以降、新しい仲間や今までにないスタイルのチームに出会っていけるでしょう。
これもまた、上記の「孤独と愛と創造」というテーマに繋がっているのかもしれません。
貴方が人生の何事かを、たったひとりで「受けて立つ」覚悟を決めた時、
同じように覚悟を決めている「その人」と、強い結び付きを得ることになるはずです。
12星座別占い
Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii
石井ゆかりプロフィール
ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari