創業110年、美しく豊かな時を奏でるアクア ディ パルマの香りと哲学。
Beauty 2026.02.04
イタリアのサヴォアフェールと洗練を携え、香りを通じてアールドゥヴィーヴルを体現するアクア ディ パルマ。1916年のメゾン初のフレグランス「コロニア」誕生から今年で110周年を迎え、ブランドがいまあらためて示すメッセージとは? CEOのジュリオ・ベルガマスキに聞いた。

ジュリオ・ベルガマスキ Giulio Bergamaschi
アクア ディ パルマCEO
2004年にボッコーニ大学を卒業後、ロレアルに入社。ビオテルムのグローバルブランドプレジデントや中国でのロレアル パリ DMIのジェネラルマネージャーなどを歴任。22年LVMHグループに入社し、ロロ・ピアーナの戦略ミッションディレクターとしてトレーサビリティのデジタル認証に取り組むなど、ブランドの価値向上を推進。23年3月より現職。
― 創業110周年おめでとうございます。メゾンがここまで長く愛され続けてきた理由はどこにあると思われますか?
メゾンが長く愛されるために必要なことは、常に唯一無二の存在として認識され続けることだと考えています。アクア ディ パルマには明確なフィロソフィーがあります。それは、軽やかで洗練された品格と控えめな佇まい、そして確かな品質を通じて表現される、イタリア流のエレガンス。この哲学を時代に合わせて再解釈し続けています。
私たちは、現代人のライフスタイルがどのように変化し、香水やプロダクトとどう関わっているかを深く観察しています。そして、自分たちの価値観を妥協させることなく、人々の求めるものにこたえてきました。「変わらずにあるべきものは何か、そして何に対して感性と意図を持って進化しうるのか」を知ることから、そのバランス感覚は生まれます。
― アニバーサリーイヤーにおける特別な取り組みについて教えてください。
創業110周年を迎えるにあたり、私たちは独自の視点を選びました。それは"文化的なアンバサダー"とともに、製品そのものではなく"価値観"に焦点を当てるという試みです。今回のキャンペーンでは、俳優のマイケル・ファスベンダーとサブリナ・インパッチャトーレを起用しました。彼らが体現する「スプレッツァトゥーラ(計算された無造作)」と「レジェレッツァ(精神的なしなやかさ)」を通じて、イタリアらしく、静かに現代的で、そしていまの時代にこそ深く響く絶妙なバランスを表現しています。

キャンペーンに登場したマイケル・ファスベンダーが、アクア ディ パルマならではの洗練の価値観を体現する。
---fadeinpager---
― 110周年を記念し、「コロニア イル プロフーモ ミレジマート」が登場しました。メゾン初のフレグランス「コロニア」を現代風にアレンジした「コロニア イル プロフーモ」のスピリットを受け継ぎ、香料にはマダガスカルのノシべ島で栽培されたイランイランを採用。華やかで特別な香りですね。
コロニア イル プロフーモ ミレジマートは、「静謐さがもたらす品格」というただひとつの哲学に基づいて組み立てられました。今回の記念すべき節目において、私たちが意図したのは「複雑さ」ではなく、「すでに内在する深い次元を明らかにすること」でした。そこで、構造を再構築するのではなく、既存の完璧なバランスをさらに高めることができる原材料に光を当てることを意図したのです。
香料に使っているのは、2024年にノシベ島で収穫されたイランイラン。類まれな輝きと透明感を放っており、重さを一切感じさせない濃密さを備えています。希少な気候条件のもとで育まれたイランイランは、自然な光を宿しています。その輝きこそが、「コロニア イル プロフーモ」のシトラスのノートをより鮮明に際立たせてくれるのです。豊かさを十分に感じさせながらも、そこに注がれた並々ならぬ努力は決して表には出さないーー。そのような素材を選ぶことこそが、このフレグランスに敬意を捧げるための理想的な方法でした。

潤沢な降雨と温暖な気候が重なった2024年に収穫した、マダガスカル・ノシべ島産の特別なイランイランを核に、イタリアンベルガモット、ブラッドオレンジ、プチグレン、グレープフルーツなど柑橘の爽やかさと、ローズマリー、オレンジリーフアブソリュート、パチョリ、ベチバーなどの濃厚な奥行き感が、洗練の香りを織りなす。

ボトルには建造物を思わせるエンボス加工のディテールが施され、ボックスには2024年収穫の香料と創業110周年を記念するゴールドのメダル型スタンプがあしらわれた。アクア ディ パルマ コロニア イル プロフーモ ミレジマート オーデパルファム 100ml ¥42,900(限定発売)
― 調香師のアレクシス・ダディエとの間にはどんなセッションがあったのでしょうか?
彼との対話では、細部への「精密さ」に焦点を当てました。イランイランが、シトラスやアロマティックなノートを決して圧倒することなく、いかに深みと躍動感をもたらすことができるか探求しました。
クリエイティブなやり取りの指針となったのは、オリジナルのコロニア イル プロフーモに対する相互の敬意、そして真の洗練とは、いつ手を加え、いつ身を引くべきかを正確に知ることに宿るという信念でした。
---fadeinpager---
― この香りを肌で美しく香らせる、纏い方のコツはありますか?
コロニア イル プロフーモ ミレジマートは、周囲を圧倒するためではなく、纏う人にそっと寄り添うように設計されています。そのフレッシュさは穏やかに広がっていくため、気温や湿度が高い環境では、とりわけ心地よく感じられるはずです。
私からの提案としては、「いま、この瞬間」を意識するような場面で纏ってみてください。たとえば外出前の静かな早朝や、オンからオフへと切り替わる夕暮れ時などです。この香りは肌のすぐ近くに留まり、控えめな奥ゆかしさとともにその表情を現します。イタリア流のエレガンスがそうであるように、この香りもまた、軽やかに纏うことで最もその真価を発揮します。時間をかけて、その個性が自然に花開いていく過程をぜひ楽しんでみてください。

ライフスタイルグッズのコレクションも新登場。コロニア ソット ソプラ キャンドルセット(3本セット ¥12,430)と、積み重ねて使える専用のスタンド(コロニア タッツィーナ ベース トーテム タン ¥19,910、上からコロニア タッツィーナ モジュール トーテム タン、同イエロー 各¥15,620)がインテリアに遊び心を添える。

キャンドル用のベースは、写真のようにスタックして使うことも、単体で使うことも可能。上からアクア ディ パルマ コロニア タッザ ベース トーテム タン、同イエロー 各¥19,910(※キャンドル別売)
---fadeinpager---
― アクア ディ パルマが掲げる「アールドゥヴィーヴル」は、フィガロジャポンも大切にしているメッセージです。イタリア流のアールドゥヴィーヴルについて教えてください。
私たちが大切にしているのは、人間らしい尺度、ゆったりと流れる時間の尊さ、そしていまこの瞬間に心を尽くすことです。こうした生き方の根底には、「真に洗練されたものは、自らを誇示する必要はない」という信念があります。美しさは、静かに立ち現れるものです。それは振る舞いを通じて、あるいは細部へのこだわりや、一見シンプルに見えて実は深く考え抜かれた瞬間を通じて現れます。
アクア ディ パルマにとってアールドゥヴィーヴルとは、日々の何気ない生活の中に隠されている卓越性や洗練を讃えることにほかなりません。複雑さを内包しながらも、あえてそれを軽やかで、さりげないものとして表現すること。それこそが、私たちの追求する美学なのです。
イタリア流のアールドゥヴィーヴルは、私たちの原点であるパルマへの回帰でもあります。パルマは、ゆっくりと時間が流れ、日常の風景の中に美しさが潜んでいる、人生の模範となるような都市です。

時を越え愛される、メゾンの象徴的な香り。太陽の光をたっぷりと浴びたシチリアのシトラスフルーツを中心に、ラベンダー、ダマスクローズがブレンドされ、ベースはべチバー、サンダルウッド、パチョリのウッディーノート。アクア ディ パルマ コロニア オーデコロン 100ml ¥27,720
― ジュリオさんは「イタリア人であり、コスモポリタンである」と自認されているとのこと。ご自身のどんな面がそれを現していますか?
私の「イタリア人」としての側面は、文化と深く結びついています。美や芸術を愛する心、そして人間同士の深い繋がりを大切にする姿勢です。また、シンプルさを通じて表現されるエレガンスを信じる心や、温かさと誠実さを持って人生に向き合うアプローチも、イタリア人ならではの気質によって形作られたものだと感じています。
一方で「コスモポリタン」としての側面は、知的好奇心から生まれるものです。国際的な環境で生活し、仕事をしてきた経験から、私は「耳を傾けること」、常に「オープンであること」、そして異なる文化から「絶えず学び続けること」を教わりました。それは地理的な場所の問題ではなく、マインドセットの問題です。アイデンティティにしっかりと根を張りながらも、異なる伝統との対話を可能にする。そんな開放的な精神こそが、私のコスモポリタンな側面だと言えるでしょう。
― ブランドの次なるビジョン、そして日本のファンへのメッセージをお願いします。
アクア ディ パルマのビジョンは、ブランドの核心を忠実に守りながら、文化的な存在感をさらに高めていくことにあります。「香り」はこれからも常にメゾンの中心であり続けますが、今後はより広いアールドゥヴィーヴルの世界観の中で、洗練されたイタリア流の生き方を反映したデザイン、オブジェ、そして特別な体験を通して魅力を表現していきたいと考えています。
日本の皆さまには、私たちのメゾンを深い感性と関心を持って受け入れてくださっていることに、心から感謝を申し上げます。日本には「奥ゆかしさ」「卓越した品質」「細部へのこだわり」を慈しむ文化がありますが、これらはアクア ディ パルマが大切にしている価値観と強く共鳴するものです。私たちはこれからも、伝統への敬意と現代的な感性の両方を大切にしながら、日々の何気ない瞬間に「安らぎ」と「喜び」、そして「いまこの時を感じる豊かさ」をもたらす製品をお届けし続けます。




