ウカ代表が語る、人と地球に優しいヘアカラー「ヘナ」の新提案。

Beauty 2023.03.20

ファッションのひとつでもあり、白髪を隠したい人にとって欠かせないヘアカラー。その一方で、ジアミンアレルギーの増加という問題も。解決策のひとつに、インド原産の植物、ヘナを選んだのがトータルビューティサロン、ウカ。顧客だけでなく、人と地球環境を考えたウカの新しい髪色の提案を代表取締役CEO渡邉弘幸に聞いた。

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渡邉弘幸 Watanabe Hiroyuki
株式会社ウカ 代表取締役 CEO
ウカのサロンメニューや製品開発に関わり、海外展開に成功。2017年「uka store omotesando」オープンと同時に一般社団法人アジアビューティアカデミー(ABA)理事長に就任。黒髪文化をアジア諸国と共有し、アジア全体の美容経済発展に尽力しながら、「あなたと私と地球がうれしくなることをふやしていきたい」の想いのもとウカのトータルビューティー提案やサロン・ストア経営に従事。

― 100%天然由来のヘアカラー、ヘナを発売されましたが、なぜ、ヘナを選ばれたのでしょう?

「ウカでは年間10万人弱のお客様が、ヘアカラーで来店されていますが、数年前から一般的な染毛剤に含まれるジアミンにアレルギー反応を起こす方が急増。以前からその予兆はあって、ずっと頭を悩ませていました。ジアミンは、2011年にヨーロッパでは使用禁止となった染料成分。日本の皮膚免疫アレルギー学会でも注意喚起されています。症状はさまざまで、かゆみや赤み、カサカサしたり、頭皮がぐちゃぐちゃという方も。お客様はとても辛いと思いますし、カラーリストも気苦労が絶えない状況で、早急に代替となるものを用意しなければ、と考えていました」

― ジアミンアレルギーが増える一方で、白髪を染めたい、ヘアカラーでイメージチェンジしたいという方も増え続けている状況では、確かに悩ましい問題ですね。

「ヘアカラーはファッションと切っても切れない関係ですし、白髪染めの方も多いので需要は増えるばかりですが、デメリットを抱えたままではハッピーになれません。そんなタイミングで、ヘアスタイリストのshucoさんから聞いたのが、アーユルヴェーダで使われる100%天然由来のヘナの話。ご本人が肌が弱く髪や頭皮にもトラブルを抱えていたこと、コンプレックスを解消するためにヘアスタイリストになったという経緯。そしてジアミンアレルギーの経験からヘナを愛用するようになったことも。でも、現在のshucoさんの髪はボリュームもツヤもあって、アレルギーで悩んでいたことを微塵も感じさせないほど。ヘナによって頭皮も健康になったと聞いて、俄然、ヘナに興味が湧いたんです」

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沖縄県石垣で、農薬も化学肥料も一切使わない循環型農業で育つヘナとインディゴを使用。左から、ヘナ100%のuka クイーンオブ石垣 ヘナ、インディゴ100%の同 インディゴ、ヘナ50:インディゴ50の同 ブレンドI、ヘナ30:インディゴ70の同 ブレンドⅡ 各110g ¥4,950/以上ウカトーキョーヘッドオフィス

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ハワイのライオンコーヒーを思わせるヘーゼルナッツの香り付き。左から、ヘナ100%のuka クイーンオブ石垣 ヘナ ヘーゼルナッツバニラ、インディゴ100%の同 インディゴ ヘーゼルナッツバニラ、ヘナ50:インディゴ50の同 ブレンドI ヘーゼルナッツバニラ、ヘナ30:インディゴ70の同 ブレンドⅡ ヘーゼルナッツバニラ 各110g ¥5,390/以上ウカトーキョーヘッドオフィス

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― ウカが選んだヘナは石垣島産と伺いました。その理由は?

「アーユルヴェーダで知られるように、ヘナの原産はインド。でも、パンデミックの影響で国産のヘナを探し始めました。辿り着いたのが、玉城享子さんの自社農園『うたきの杜』です。国内でヘナを栽培している方はまだまだ少数派、しかもナチュラルにこだわった循環型栽培と聞いて、すぐに石垣まで飛んで行きました。玉城さん、最初は我々を怪しんでいたと思いますよ(笑)。そして、ひと目で感動したのが農園の美しさ。一面に整列したヘナが青々と茂る姿は、本当にキレイで。ひと目見て、質の高さを実感しました」

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石垣島にある循環型にこだわった玉城さんの農園。青々と繁るヘナ。年3〜4回収穫される。

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枝から刈り取った後に一度乾燥。一本一本は繊細だ。

「ヘナは枝ごと収穫して一度乾燥、葉のみを採取して細かく粉砕します。廃棄に回る枝は捨てずに畑へ戻すのですが、堆肥と炭化したヘナを肥料にして、循環させています。玉城さんと出会えていなかったら、ヘナの製品開発は諦めていたかもしれない、それくらいウカにとって必然の出会いでした」

― 収穫から製造の過程で、苦労されるのはどんなことですか。

「自然栽培ですから、収穫時期や生産地、台風などの気候条件に左右されることも。気温が低すぎると枯れてしまいます。実は沖縄本土にもヘナマスターがいて、その方が栽培したヘナも採用しています。栽培方法の違いもありますが、沖縄産のほうが石垣産よりワイルドで、染まりは石垣産のほうが深い印象です。今後はインドの一大産地ソジャットのヘナの採用も考えているんです」

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もともとは医療従事者の玉城さん。代替医療にも精通し、アーユルヴェーダからヘナと出合い、地元の石垣島で栽培をスタート。

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沖縄本島の農園で、自然栽培でワイルドに育つヘナとインディゴを使用。左から、ヘナ100%のuka キングオブ琉球 ヘナ、インディゴ100%の同 インディゴ、ヘナ50:インディゴ50の同 ブレンドI、ヘナ30:インディゴ70の同 ブレンドⅡ 各110g ¥4,290/以上ウカトーキョーヘッドオフィス

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― ヘナ=オレンジ色に染まる印象ですが……。

「確かに、白髪にはオレンジが強く出ますし、黒髪だとツヤが増すだけ。ヘナは髪内部にカラーを入れるのではなく、ローソニアという色素が髪をコートするだけなので、マニキュアや漆塗りのようなイメージです。だから髪一本一本が太くなりますし、見た目印象は毛量が約1.2倍に。ボリュームとツヤが出るのがヘナの特徴です。細毛でボリューム不足、クセ毛とも相性がいいと思います。オレンジ色のネガティブな問題を解決するために取り入れたのが、グリーンに発色するインディゴです。ヘナとインディゴの配合バランスによってダークトーンの髪色を作り出すことが可能になりました」

― ヘナにはインディゴという自然界の法則があったんですね。

「すでに、ヘナとインディゴを混ぜるのがいいという話は知られていて、玉城さんの農園でもヘナとインディゴを栽培しています。おすすめは、ヘナ30:インディゴ70のブレンド。アッシュ系のニュアンスが楽しめます。ホームケア用のウカヘナシリーズは全部で12種類。ヘーゼルナッツの香りがついたものも。ひと袋フルレングス1回分の110g。もちろんサロンのヘアカラーメニューのひとつとして、受けることができます」

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― ヘナカラーの提案の裏には、環境への配慮もあるのでしょうか?

「ヘナは見た目も匂いも茶葉に近く、粉状にしたものをぬるま湯でといて髪に塗布します。塗布した後は、ターバンやシャワーキャップをかぶり、約40分放置するだけ。ヘナだけなら何時間でも、ひと晩そのままでも大丈夫。時間を置くほうがしっかりコーティングできるので、ツヤもボリュームも出ます。その後はシャワーで洗い流すのですが、水質汚染の心配はありませんし、環境にも優しくクリーンです。アーユルヴェーダではヘナを食べたり飲んだり、デトックスにも使われる天然の植物。冷却作用を持つことからひんやり感が気持ちいいというお客様も多いです」

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サロンでのヘナカラーは塗布後25分ほど加温しながら放置。熱を加えてコーティング力をアップさせている。

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ウコン色のヘナと青緑のインディゴをミックス。サロンでは60℃、ホームケアでは42℃のぬるま湯で溶き、ペースト状になったものを使用する。

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― 製品化するまでに、多くの臨床試験を重ねたと伺いました。

「1000件を目標にサロン体験を募集し、ヘナとインディゴのミックスなど5つのレイヤードで臨床試験を続けています。アーユルヴェーダにはエビデンスというものがないのですが、日本のお客様やカラーリストには、効果や安全性を可視化いただく必要性を感じていて、独自に進めています。もちろん日本でヘナが広く普及するきっかけにもなってほしい、という思いもあります」

― ケミカルが当たり前のサロン業界でオーガニックやサステイナブル、SDGsの概念を根付かせたい、そんな気概を感じますがそれはウカの使命なのでしょうか。

「理容でスタートした初代、業界にユニセックスの概念を取り入れ、理美容の黎明期を築き上げたパイオニアが2代目。そのDNAを受け継ぎながら、ネイルやヘッドスパ、エステティックの提案など、ビューティサロンという業態を、時代に併せてストレッチしてきたのが3代目のウカ。これから先、より多くのお客間さまに長く愛され続けるためには何が必要なのか、真っ先に浮かんだのが、天然由来にこだわり、持続可能な原料を用いた製品の提供です。ケミカルなイメージの業界ですが、お客様が通い続けたくなる、元気になる、そう感じてもらうには、サロンでもホームケア製品でも、身体への負担は少ないほうがいい。使命だとは思っていますが、お客様と向き合う中で自然に辿り着いたものなのです」

― ウカの次なるステップは?

「モノづくりに関しては、提案のたびにどんどん環境が良くなる、そんな仕組みを作っていきたいですし、ukaが提案するトータルビューティーの理念を、広く海外にも発信していきたいと考えています。製品や業態、技術に留まらず、考え方や哲学のシェアまで含めて、関わるすべての人の生活や環境が豊かになる、そんなソリューションです」

― クリーンで心地いいウカの提案、楽しみにしています。ありがとうございます。

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text: Sawako Abe

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